大学院日英通訳?翻訳実践プログラムで大学院生が同時通訳を実践
2025.12.08
2025年11月13日(木)、研究講義棟の101教室にて、大学院日英通訳?翻訳実践プログラムの大学院生が、通訳の実技を学ぶ学部生との合同授業で、学部生の日本語でのプレゼンテーションを英語に同時通訳する通訳実習を行いました。参加者の大学院生、学部生の中から、それぞれ1名のレポートを紹介します。
大学院日英通訳?翻訳実践プログラム博士前期課程2年 山口紗和さん
この度は、学部生対象の「通訳基礎II」クラスにて、健康に関するプレゼンテーションの英日同時通訳を行いました。春学期に引き続き、101教室の同時通訳ブースを使用し、実務に近い環境で実習を行うことができました。当日の通訳だけではなく、機材の充電や発表者との打ち合わせ、発表内容のリサーチといった事前準備も含めて、通訳業務における一連の流れを体感しました。本番1週間前までに、発表者から原稿やスライドなどの資料を共有してもらえたため、時間をかけて準備することができました。
春学期の実習では、必要な情報を取捨選択し、早口にならないよう、オーディエンスにとって聞き取りやすい訳出を行うことが課題に挙がりました。その反省点を活かし、今回は事前準備の段階で発表者が伝えたいことを明確にしてから通訳原稿の作成を行いました。その結果、当日は滞りなく訳出することができ、情報が詰まりすぎてしまったり、逆に取りこぼしてしまったりといったミスを防ぐことができました。通訳パートナーとの連携もしっかりと取ることができ、資料のどの部分を通訳しているかを明示してもらったり、メモ出しをしてもらったりと、配慮の行き届いたサポートによって円滑な通訳を行うことができました。
一方、今後の課題としては、事前準備の段階で発表内容がインプットされていたため、ところどころ発表者の話を追い越して訳出してしまったことが挙げられます。次回以降の実習においては、発表者の発言にしっかりと合わせて訳出することを心がけたいです。今後も引き続き、オーディエンスにとって分かりやすい通訳の実現を目指し、日頃の練習に励みたいと思います。
言語文化学部 4年 国本こころさん
今週の授業では、5分間の健康に関する英語のプレゼンテーションをして大学院生の方に同時通訳をしていただきました。まず、同時通訳を実際に聞くのが今回が初めてだったため、通訳を聞くために使用される本格的な機器にも初めて触れました。操作したり仕組みを知るのが新鮮で興味深かったです。
また、本番数日前に通訳者役の方からプレゼンを始める前に必ず音声確認と合図を送るようにしてほしいという依頼がありました。本番ではスピーカーと通訳者の距離が離れることから、同時通訳において事前の打ち合わせがよりスムーズな進行のためにはとても重要になってくることを知りました。
最後に、大学院生3名の通訳は、一貫してオーディエンスをとても意識されていたという印象がありました。あくまで「通訳」として、主役であるプレゼンに対して控えめでありながらもオーディエンスに聞きやすい声と自然な日本語訳をされていて聞いていてとても心地よかったです。