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最新10件

グローバルなエネルギー危機とアフリカのEV

2026/06/24/Wed

 イラン戦争が引き起こしたグローバルなエネルギー危機が、アフリカではEV(電気自動車、電動バイク)への需要増となって現れている。東アフリカでは特にEVの利用が広がっているが、昨今のガソリン価格急騰がこれに拍車をかけている。  アフリカ各国で電動バイクとバッテリー交換事業を展開するSpiro社は、最近巨額の資金調達を続けている。22日には中国市場から5500万ドルの資金調達を発表した。ヨーロッパやアジアの中古車利用からアフリカのEV普及が始まると考えられていたが、中国製のEVや中国製部品を使ってアフリカで組み立てられたバイクの普及が急速に進んだ。モバイルフォンで起こったことがEVでも起きている。  ケニア、エチオピア、ルワンダなど、東アフリカを中心とするアフリカ各国は、次々にEV普及策を打ち出している。ルワンダでは、2025年1月に首都キガリでEV以外のバイクタクシーの新規登録を禁止し、EV販売は28%上昇した。バイクタクシーの主役は、急速に電動バイクになりつつある。  IEAによれば、アフリカにおける電気自動車の販売台数は、2023年の4000台から2025年には2万5000台へ急増した。その35%を中国メーカーのBYDが占めている。  アフリカをベースにするスタートアップも育っており、EV向けチャージスポットを提供するKabisa社は、ルワンダやケニアで事業を拡大させている。ケニアに本社を置く電気自動車用バッテリー?電気バイク製造のARC Ride社は、世銀のIFCなどから数千万ドルの資金調達に成功し、世界最大の電動二輪車メーカーである中国のYadea社とパートナーシップを結んだ。  Yadea社幹部は、ホルムズ海峡危機は「中国がアフリカのEV市場で支配力をいっそう強める機会を提供した」と述べている(22日付ファイナンシャル?タイムズ)。米国が引き起こした戦争が、中国の利益に繋がるという図式がここでも看取される。  一方、Spiro社の創業者でインド人実業家のGagan Gupta氏は、同社が先月アフリカで1万台の電動バイクを販売したとして、2027年には年間100万台の目標を掲げる。同氏は次のように述べている。「現在ほとんど中国でつくられているリチウムイオンバッテリーをケニアやナイジェリアで製造する企業が増えるだろう。アフリカの資源がアフリカで加工されることになる」。EVの構造は、内燃エンジンを搭載したガソリン車より単純だと言われる。最近、幾つかのアフリカの国々が見せているレアメタル輸出制限の動きと合わせて考えれば、それほど遠くない将来、自動車の生産拠点が大挙してアフリカに移ることもあり得るかもしれない。(武内進一) アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。

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コンゴ民主共和国で大統領任期延長の動き

2026/06/17/Wed

 コンゴ民主共和国のチセケディ大統領が、任期延長に向けた動きを本格化させている。6月9日に下院が憲法改正案を採択し、15日には同案が上院を通過した。  2006年に制定されたコンゴの現行憲法には厳しい三選禁止条項があるが、今回の法案はその条項の変更ではなく、技術的な点の改正に留まる。しかし、国民投票を経て憲法改正がなされれば、チセケディのこれまでの任期がカウントされなくなり、新たな一期目の任期として次の大統領選挙に立候補できる。アフリカの多くの国々で、大統領の任期延長のために用いられてきた手法である。  任期延長のために憲法改正を利用するチセケディと与党の意図は明らかであり、抗議の声が高まっている。議会では野党が審議をボイコットしたし、12日にはキンシャサでデモが発生して2人が死亡した。  チセケディ周辺は今が任期延長のチャンスと見ているが、その背景には米国との関係がある。トランプ政権はコンゴ東部紛争を終わらせるとして、コンゴとルワンダの仲介に動いてきた。その動機はコンゴの稀少鉱物確保にあり、米国の民間企業をコンゴの鉱物資源開発に関与させるために、コンゴ寄りの姿勢を取っている。このタイミングであれば、任期延長に動いても米国は何も言わないとの計算があるようだ。憲法レファレンダムも、11月3日に予定されている米国の中間選挙前に実施されると見る向きが多い。中間選挙でトランプが負ける前に、さっさとレファレンダムを済ませようということである(16日付ルモンド)。  この状況は、平たく言えば、チセケディと与党が数の力で権力維持を図っているのだが、そこに米国との関係が深く影響していることがポイントである。国際関係とりわけパワーを持った国家との関係を利用して、自分たちの利益を最大化しようとしている。  チセケディの前職カビラも憲法を改正して三選を目指したが、激しい抗議デモに直面して諦めた経緯がある。トランプ政権の威を借りたチセケディは、これに成功するだろうか。(武内進一) アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。

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南アフリカで反移民運動の高まり

2026/06/09/Tue

 5月以降、南アフリカで反移民運動の高まりが報道されている。5月27日には、ガーナ政府が飛行機をチャーターし、300人の自国民を帰還させた。ナイジェリア政府も自国民の帰還を準備している(5月30日付ルモンド)。  南アフリカには、アフリカ各国出身の移民が数多く生活している。その数は、約400万人(人口の6%程度)とも言われる(5月31日付ファイナンシャルタイムズ)。合法的に滞在する人も多いが、非合法に滞在する移民が自分たちの職を奪っているという考えが、南アフリカ人に広く流通している。  南アフリカの反移民運動は「ゼノフォビア」(外国人嫌悪)とも呼ばれるが、2008年、2015年、2019年など、これまで周期的に起こってきた。特に、選挙の際に政治家が反移民感情を煽ることが指摘されている。失業率の高さを移民のせいにして、取り締まりを強化すると訴えるわけである。  今回も、11月に予定されている地方選挙の影響が見て取れる。ジョハネスバーグ近郊のタウンシップ、ソウェトでは、野党ActionSAのマシャバ党首が選挙集会を開き、不法移民取り締まり強化を訴えた後に、移民が経営する商店に支持者が押しかけたという(5月31日付FT)。  6月5日付ルモンド紙は、反移民運動の指導者のひとりJacinta Ngobese-Zumaを紹介している。もともとクワズールー=ナタール州のFMラジオでズールー語のパーソナリティを務めていた。2025年3月以降、ダーバンで、不法移民取り締まり強化を訴える運動「March and March」を活発化させた。Facebookには87万人のフォロワーを持ち、反移民を訴える動画を相次いで投稿して若者から支持を集めている。ズマという名前だが、元大統領との親族関係はない。クワズールー=ナタール州から始まったMarch and Marchの反移民デモは、イーストロンドン、ヨハネスブルク、ブルームフォンテイン、ケープタウンなど、南アフリカ各地に広がっている。  アフリカ各国は、南アフリカへの非難を強めている。ガーナ政府はアクラに駐在する南ア大使を呼び出して抗議し、AUの会合でも問題化する意向である。反移民運動が、アフリカにおける南アフリカの指導力に重大なダメージを与えることは疑いない。(武内進一) アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。

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マリとの関係を深めるトルコ

2026/06/06/Sat

 2日付けルモンド紙は、トルコが軍事物資の提供や軍事協力を通じて、マリやサヘル諸国との関係を深めていると報じている。最近、トルコとマリの間では、装甲車、光電子工学システム、監視システム、地雷除去装置、軍人トレーニングなどに関して、数多くの二国間協定が結ばれた。  両国の関係強化は、最近になって加速している。理由のひとつは、ロシアの影響力低下である。4月にジハディストの攻撃で軍事政権側が深刻な被害を受けたことで、マリ市民からロシアへの批判が高まった。ロシア兵がジハディストらの攻撃の前に無力だったからである。これがトルコの進出を後押しした。  過去10年間に、トルコとマリの貿易は3倍以上に増加した。きっかけのひとつはエルドアン大統領のマリ訪問(2018年)であった。2024年の貿易では、最大の輸出品は武器?軍事用品で、総額の約20%を占めた。それに電子機器、工作機械、穀物などが続く。  2025年11月、マリで防衛治安国際サロン(Bamako Expo: Bamex)が開催され、トルコの防衛産業が参加した。この催し物は、トルコ側が主導してが開催し、防衛電子産業のAselsan、ミサイル製造のRoketsan、武器製造MKE、ドローン製造のBaykarなどトルコの主要企業が参加した。マリ軍部やサヘル諸国指導者を前に、トルコ企業が技術を売り込む機会となった。  マリでは、軍事政権がフランスとの関係を断つなかで、ロシア、中国、トルコなどとの関係が深まった。関係強化の梃子となっているのは、マリ側が渇望している軍需用品である。ロシアと違って、トルコがマリに派兵することは当面ないと見られるが、軍事顧問を送り、訓練に協力することは十分にあり得る。すでにナイジェリアに対しては、そうした協力を進めているようだ。  紛争影響国は軍事物資に対する需要が大きいので、それを中心に対外関係が構築されやすい。トルコはソマリアに対しても関係を強化しており、軍事拠点を置いている。(武内進一) アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。

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フランス大統領が奴隷貿易への賠償の必要性に言及

2026/05/27/Wed

フランスのマクロン大統領は、21日、奴隷制?奴隷貿易に関する「賠償」を考える必要性に言及した。フランスの大統領として初めての、注目すべき発言である。  フランスには奴隷制?奴隷貿易を「人道に反する罪」だと定める「トビラ法」があり、この発言は21日にエリゼ宮で開催された、トビラ法制定25周年記念式典レセプションの場でなされた。「このような犯罪に、どう償いをなすべきなのか。この問いを避けてはならない。しかし同時に、軽々しい約束をしてもならない。」とマクロンは述べた(22日付ルモンド)。  この発言は、3月25日に国連総会で採択された決議へのフランスの対応と大きく異なる。奴隷制?奴隷貿易を「最大の人道に反する罪」と捉え、賠償の必要性を訴えたこの決議に、フランスは棄権した。それから2ヶ月後、アフリカ各国大使を含む約300人の招待客の前で、マクロンはこの発言をしたのである。  変化の背景として、アフリカ連合(AU)やカリブ共同体(CARICOM)からのロビイングが指摘されている。4月8日、国連決議の提案国ガーナのマハマ大統領は、エリゼ宮に招かれマクロンと会談した。この会談が両首脳の見解を近づけたとされている。マクロンは「マハマ大統領と、具体的な提言をまとめるために国際科学委員会を発足させることを決めた」と述べ、今後のプロセスも明らかにした。  マクロンはこの日、いわゆる「黒人法」(Code noir)の廃止にも言及した。「黒人法」とは17~18世紀に制定された王令で、捕獲されたアフリカ人を「動産」と見なすなど、奴隷制に関する定めが含まれている。もはや効力はないが、法律自体は今日まで残っている。この廃止に向けた手続きが、5月末に下院で進められることになった。  マクロンの対応について、ルモンド紙の社説は好意的に評価した(23日付)。先の文化財返還法もそうだが、大統領2期目の任期満了まで1年を切るなかで、積極的にレガシーを作ろうとしているようにも見える。この方向性はポジティブに評価すべきだと思う。(武内進一) アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。

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セネガルで大統領が首相を解任

2026/05/24/Sun

 22日、大統領府事務局長ウマル?サンバ=バ(Oumar Samba Ba)が、ウスマヌ?ソンコ首相の解任と内閣解散を発表した。ソンコは与党Pastefの指導者で、2024年3月の政権交代以来、ジョマイ=ファイ大統領とのコンビでセネガルを率いてきた。両者の決裂によって、セネガル政治の混乱は必至である。  ソンコとジョマイ=ファイは、Pastefが結成された2014年以来の盟友であった。カリスマ性があり、動員力に長けたソンコに対して、ジョマイ=ファイは戦略を練る裏方という役割分担であった。2024年の大統領選挙の際にはソンコに立候補資格が与えられなかったため、ジョマイ=ファイが立候補し、当選した経緯がある。  この数か月は両者の間に亀裂が表面化し、ソンコがジョマイ=ファイのやり方を批判する場面が目立っていた。5月に入って、ジョマイ=ファイはTVインタビューで、ソンコと決裂する可能性について初めて言及していた(23日付ルモンド)。  セネガルではこれまで、比較的安定した民主的な政権運営を続けられてきた。独立以来、クーデタなどによる非合法的な政権交代は起きていない。選挙暴力はあったが、それによって膨大な数の犠牲者が出る事態は避けられてきた。今回の政治危機をうまく収拾できるのか、政権は重大な事態に直面している。(武内進一) アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。

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エボラ熱の感染拡大

2026/05/22/Fri

 WHOは20日、コンゴ民主共和国東部ではかなり前からエボラウイルスの感染が広がっていたとの見解を明らかにした(21日付ルモンド)。コンゴ東部におけるエボラ熱は、15日にアフリカ疾病予防センター(Africa CDC)が公式に発表したばかりである。この時は、エボラ熱による死亡が最初に確認されたのは4月24日で、東部の都市ブニアにある教会系の病院でということだった。  ただし、感染が拡大したのはブニアではなく、そこから北方に約75キロ入った鉱山町モングワル(Mongbwalu)であった(18日付ルモンド)。ブニアとモングワルとの間は、悪路のためアクセスが非常に困難である。モングワルでいつ頃、どのように感染が広がったのかという情報はほとんどなく、初期の感染経路は特定できていない。  公式発表以降、感染は急速に拡大し、死者数は当初発表された80人から139人に増加している(21日付ルモンド)。  Africa CDCはアフリカ連合直属の疾病予防機関で、トップのカセヤ(Jean Kaseya)氏はコンゴ民主共和国出身の医師である。ルモンド紙とのインタビューで、彼はエボラ熱の急速な感染拡大に懸念を示し、援助の大幅な削減によって、サーベイランスシステムの維持、医療人材の育成、機材の管理、検体の輸送などが難しくなっていると指摘している(19日付ルモンド)。  エボラ熱の世界的感染を恐れる必要はないが、コンゴ東部を中心とする地域では感染拡大が深刻に懸念される。援助削減の影響が表面化したと考えるべきであろう。(武内進一) アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。

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フランスで文化財返還に関する法律制定

2026/05/18/Mon

 フランスで、文化財返還に関する法律が公布された。「違法に取得された文化財の返還に関する2026年5月9日付法律No.2026-351」である。この法律は、植民地の征服などに際しての強奪など違法に取得されたフランスの文化財を対象とし、その返還を進めることを目的に制定された。上下両院を全会一致で通過したことは特筆される(6日、7日付ルモンド)。  ルモンド紙文化担当編集責任者のミッシェル?ゲラン(Michel Guerrin)はこの法律を高く評価し、マクロンの業績だと賞賛している。文化財返還に際しては、これまで国内の文化財に関する譲渡禁止条項が壁となり、個別の特例法を作って対応するしかなかった。この法律制定により、違法に取得された文化財に関してはその必要がなくなり、委員会での審査で返還を進められるようになった。ゲランは、この法律によってアジア?アフリカの作品の多くがフランスの博物館から消えるだろう、それはよいことだ、と述べている(15日付ルモンド)。  フランスにおける文化財返還の動きが、マクロン政権下で進んだことは事実である。彼は大統領に就任した2017年、訪問先のブルキナファソにおいて文化財の返還を約束した。今回の法律制定によって、その約束が果たされたことになる。ナイロビで開催されたフランス?アフリカサミットでも、アフリカの博物館関係者が参加し、返還に向けた協議が進んだという。  法律の審議に際して、全会一致での採択に漕ぎ着けたことは高く評価できる。フランスでも、「過去」との向き合い方には多様な意見がある。2001年に制定された「トビラ法」によって、5月10日は奴隷と奴隷貿易を想起するための国民記念日とされているが、極右政党(RN)出身の市長のなかにはこの行事を取りやめた者もいる(13日付ルモンド)。文化財返還に関しても、意見が割れても不思議ではなかった。全会一致での法案採択と迅速な法律制定は、フランス外交にポジティブな効果をもたらしたと言えよう。(武内進一) アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。

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フランス?アフリカサミット

2026/05/17/Sun

 5月11-12日、ケニアの首都ナイロビでフランス?アフリカサミット("Africa Forward")が開かれた。このサミットは、幾つかの面でフランスの対アフリカ政策の変化を感じさせる内容だった。  まず、この会議がナイロビで開催されたことである。フランス?アフリカサミットが英語圏アフリカで開催されたのは初めてのことだ。マクロン大統領は、「アフリカがフランスの占有地(pré carée)であった時代は終わった」と述べ、このサミットがフランスの新たなアフリカ政策を象徴するものだと訴えた。  「援助から投資へ」の流れを確認したことも、このサミットの特徴である。会議には、フランスやアフリカ各国から1500人の民間企業家が参加した。Schneider Electric, TotalEnergies, Orange, Danoneといったフランスの有力企業トップに加えて、ナイジェリアのダンゴテなど著名なアフリカ人企業家が会議に集まり、多くの商談を成立させた。サミットでは、フランスから140億ユーロ、アフリカから90億ユーロ、合計230億ユーロの投資が約束された。  35人の国家元首、企業家や市民社会など総計7000人が参加したサミットについて、ルモンド紙は前向きに評価した(13日付社説)。任期満了まで残り1年となったマクロンの、アフリカでの最後の花道だと評する向きもある。  サミットの場を利用して民間ビジネス振興を図るという意味で、今回のフランス?アフリカサミットは近年のTICADに似ている。アフリカの企業家も取り込んで、より大規模にビジネスサミットを展開したと言えるだろう。  「対等なパートナー」であること強調して民間ビジネス振興打ち出す姿勢は、メローニ首相の下でイタリアが進める「マッティ計画」や、EUが進める「グローバル?ゲートウェイ?プログラム」とも共通している。多くの企業家を引き連れて北京を訪問したトランプ大統領の例を見ても、ビジネス振興が首脳外交の中心課題になりつつある。(武内進一) アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。

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マリ軍事政権に大規模な攻撃

2026/04/29/Wed

 軍事政権が支配し、ロシアと密接な関係を結んできた西アフリカのマリで、25~26日にかけて反政府武装勢力が主要都市に攻撃を仕掛け、甚大な被害を与えた。政権幹部が死亡し、北部のキダルは反政府勢力に制圧された。この事件は、マリをめぐる内外の政治情勢に大きな影響を与えるであろう。  ルモンド紙の報道によれば、25日、マリのジハディスト勢力(GSIM/JNIM)とトゥアレグ人武装勢力(FLA)が、首都バマコ、国軍参謀本部が置かれたカティ、北部キダル、ガオ、中部セヴァレなど主要都市を一斉に攻撃した。カティに対する自爆攻撃によって、軍事政権No.2のカマラ(Sadio Camara)国防相が死亡した。また、軍事政権がロシアの支援を受けて2023年11月に制圧したキダルは、再びトゥアレグ人武装勢力の支配下に戻った。  今回の事件の全容はなお不明だが、はっきりしているのは、マリ軍事政権がロシアとの間で進めてきた治安対策が十分な効果を上げなかったということである。2020年のクーデタで政権を握ったマリ軍部は、特に2021年5月にゴイタ(Assimi Goita)が二度目のクーデタで権力を掌握して以来、フランス軍や国連平和維持部隊を撤収させ、ロシアに接近して、その準軍事組織(当初はワグネル、後に「アフリカ部隊」)の兵士を国内に展開させてきた。今回の甚大な被害は、ロシアに依存した治安対策が十分な効果を生んでいないことを明確に示している。  キダルの制圧にあたって、GSIMとFLAはロシアの「アフリカ部隊」と協定を結び、その撤退を秩序だって行わせた。反政府勢力は、自分たちが交渉可能なアクターであると内外に示そうとしているようだ。この協定は、アルジェリアの仲介で行われたという(28日付ルモンド)。ここ数年マリとの関係が悪く、サヘル諸国ともギクシャクしてきたアルジェリアが、この地域に強い影響力を持つアクターとして復帰してきたことを印象づける。  GSIMは首都バマコへの包囲網を続けると表明した。軍事政権への圧力はさらに強まるであろう。現在、国内で政治組織は活動を禁止されており、反軍事政権の動きがすぐに首都で活発化することは考えにくい。また、GSIMによるバマコ制圧は、アルジェリアを含めて地域各国が避けたいシナリオである。このように、軍事政権が当面存続する条件もある。周辺国も、フランスも、状況の推移を慎重に見守っているというところだろう。(武内進一) アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。

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